空白の果て

空白の果てに、亀岡商工会館

ご来場予定の皆さまへ

感染防止対策にご協力をお願い申し上げます。

ごあいさつ

亀岡商工会館は、保津川の川沿いに佇む廃墟のような様相の建物であり、その歴史や周辺の変容を辿っていくと「空白」な場所であるといえます。
元々は保津川下り乗船場を併設した保津川観光会館として、1958年に建設されました。しかし、労働争議により他所へ移ることとなり、その後、亀岡商工会議所が買い取り、1973年に現在の名となりました。1999年に他所に移転するまで使われました。その後はテナント物件として貸し出しますが、近年ではほとんど使われることなく老朽化しつつ今日にいたっています。
この度、2022年に解体することが決まりました。

私が初めてこの建物を知ったときから、この建物は常に終わりと共にあるということはわかっていました。
周辺では、2020年に京都府立京都スタジアム(サンガスタジアム by KYOCERA)がオープンし、それに伴いJR亀岡駅の北側の開発が進められました。また、すぐそこまで河川改修工事が迫っており、耐震強度の問題もあるため、この数年で建て替えをする計画でした。

亀岡商工会館という建物は、確かにそこに存在はしているのに、役割を与えられることなく空白のままにゆっくりと果てていく。そんな儚い建物の在り様を私は美しいと思う。そして、同時に畏怖の念を抱く。
今回の展示は、この建物の最後に何か手向けることをしたいと思い企画いたしました。
新型コロナウイルス感染症の影響で不安な時期ではございますが、ご来場いただいた方が作品と共に、建物の最後を感じていただければ幸いです。

主催 マツオカ ヒロタカ

INFO

開催日時

2021年11月20日(土)〜11月23日 (火)

11:00 – 18:00(最終入場 17:30)

入場料

無料

新型コロナウイルス感染症対策

対策についてはこちらをご覧ください

ACCESS

所在地 : 〒621-0804 京都府亀岡市追分町下島40-1

  • JR亀岡駅下車 北口より徒歩約5分
    • JR京都駅 – (山陰本線快速で約20分) – 亀岡駅
    • JR大阪駅 – (東海道・山陽本線新快速で約30分) – 京都駅
      – (山陰本線快速で約20分) – 亀岡駅
  • 京阪京都交通バス 保津川下り乗船場バス停より徒歩約2分
    • 阪急桂駅 – (国道線2系統で約45分) – 保津川下り乗船場バス停
    • JR京都駅 – (国道線2系統で約1時間10分) – 保津川下り乗船場バス停
  • 国道9号経由で京都市内中心部より車で約40分

ARTIST

八太 栄里 / Hatta Eri


時の経過の中で取り残され、忘れ去られていくものが放つ存在感に注目し、その土地の気配や記憶、そこにまつわる人の記憶や魂など、目に見えないものの形を想像し画面に現すことを目指している。
ありふれた景色を拾い、絵画として成立させることで日常の見方を変え、新たな思考を働かせるきっかけを展開する。

1989年 京都府亀岡市生まれ
2011年 大阪デザイナー専門学校研究科卒業
2017年 個展「気配、滅んでいくまで」GALLERY龍屋
2018年 個展「忘れようとしても思い出せない」アトリエ「空白」
2018年 個展「いたかもしれない」GALLERY SPOON
2019年 個展「経年のゴースト」GALLERY龍屋
2019年 個展「浮かんでいる風景」MASATAKA CONTEMPORARY
2020年 個展「在りし日の標」芝田町画廊
2021年 個展「風景の採集」MASATAKA CONTEMPORARY

Web Site

松本 さやか / Matsumoto Sayaka


1991年 兵庫県生まれ
2016年 京都精華大学大学院 博士前期課程芸術研究科 芸術専攻 版画領域 修了

【主な展覧会・略歴】
2015年 個展「gunung」KUNST ARZT 京都
2016年 個展「STROKE」ギャラリーいのくま亭 京都
2017年 個展「2つの意識-unstable consciousness-」KUNST ARZT 京都
2017年 個展「in fact,」Midnight Sun 大阪
2019年 個展「utopia」KUNSTARZT 京都
2019-2020年 グループ巡回展「timelake 2019」大阪・札幌・高松・東京
2020年 「京都府新鋭選抜展 Art for Tomorrow 2020」京都文化博物館
2020年 「ACE HOTEL KYOTO」作品納品
2020年 アートユニット「alt・to」結成
2021年 2人展「alt・to 交わる延長線」CVC 埼玉

Web Site

マツオカ ヒロタカ / Matsuoka Hirotaka


フィルム写真のアナログプロセスでの制作をメインに制作活動を行う。
生活の中で目を惹かれたものを中心に、日常空間から覗くありふれた一瞬の美しさを撮り続けている。

1992年 香川県丸亀市生まれ
2018年 ZINE「ありふれたもの」制作
2019年 個展「フラットでグレーなもの」 Galerie de RIVIERE
2020年 企画展「空白の痕跡」 亀岡商工会館

Web Site

NEWS

  • 亀岡商工会館 解体について
    亀岡商工会議所の公告(5月10日)によると、2023年9月末までに解体工事が完了となるようです。
  • 「空白の果て」を終えて
    本展では、11月20日から23日までの4日間で約350人の方にご来場いただきました。ほどよく作家の作品と建物が調和して、あの場所でしか起こり得ない展示内容になったと思います。建物はこれから空白の果てに向かって進んでいきます。その最果てには何が残るのかはわかりませんが、観てくださった皆様の中に少しでも何か残れば幸いです。
  • 「空白の果て」開催を祝して
    開催を祝して、ご来場いただいた方に、初日と最終日に数量限定で酒肆鬚髭の特製「ジビエコンソメのスープ」を振舞わせていただきます。 寒いのでしっかり温まって、ゆっくりと展示を観ていただければと思います。
  • 新型コロナウイルス感染症対策
    可能な範囲で窓を常時開放し換気を行います。アルコール消毒液を建物入り口に設置します。アルコールによる定期清掃を行います。混雑時には状況に応じて、会場が混み合わないよう入場制限を実施する可能性がございます。